電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

「天地人」は「チーム・バチスタの栄光」とキャストかぶり過ぎ

週明けに、大河ドラマ仮面ライダーの話をしないとどうも座りが悪いというか、何かやり残した感があるので、ごく簡単に。仮面ライダーディケイドは、2週目にして「これは来週も見なければ」という出来。凄くワクワク感がある。1週目はええーっ何これ感が強かったんだが、自分的には、2週目にして、快調な滑り出しとなった。「9つの物語が融合し始めている(キバの科白)」というSFというよりメタフィクショナルな設定であって、既に作品世界を成立させている9つの物語りを本歌取りするという設定が、自分の好みなのかもしれない。これを単にパラレルワールドモノの設定と理解するのは簡単だが、「物語」が融合するという考え方がメタであり、パロディッシュであるとも言えて。

一方大河ドラマ天地人」は、先週では真田幸村の妹であった長澤まさみが、今週は真田幸村の姉に変身するという、仮面ライダーにも負けないほどのSF的展開を見せているわけだが、この小りんが(違うって)、戦国時代に突如オルガンを弾きだした冒頭で、おれ的にはもうSFでもなくメタでもなくメタメタという感じで、脱落危機を迎えそうだ(おれが)。長澤まさみは、どんどん芝居が下手になっていく気がするんだが、誰かあの我流の演技をちゃんと指導してあげればいいのにね。

で、タワーリング・インフェルノはどうなったのかという話なんだが、誰のリクエストも来ないのでまあいっかと思いつつも、一応言い訳をしておくと、実はパニック映画について色々考えていたら、これも見ようアレも見ようという映画が増えて過ぎて、おれの予定がパニック映画。

昨年末から、日本映画専門チャンネルで「ゴジラ」の全作上映をやっているんだが、渡哲也の「大幹部」シリーズやら市川雷蔵の「陸軍中野学校」シリーズやら田宮次郎の「宿無し犬」シリーズは録画する気になるものの、別にゴジラなどどうでもよくて、結局録画したのは、名作と言われている1954年のファースト「ゴジラ」と、見てなかった金子修介の平成ゴジラゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃」のみ。2本とも、珍しく撮ってすぐ見てみた。

後者は実は初見なんだが、平成ガメラファンにはあまり評判がよろしくないこの映画、そんなに悪いとは思わなかった。まあまあ。だが、このブログでお勧め映画として項を作りたくなるほどではない。前半が「ガメラ3」みたいに弛緩している。何故、同じことをやっているのに、1や2みたいな緊張感が出ないのか、演出論を語り出せば、語りどころがあると思うんだが、長くなるので割愛。前田愛・亜季の姉妹が、ザ・ピーナッツのオマージュみたいに一瞬出てきて、そのシーンを見ただけで満足した。

マニアには常識だろうが、この金子版ゴジラの設定は、1954年のファーストゴジラの忠実な続編だ。そして、このファーストゴジラは、正当な恐怖映画であり、パニック映画であり、ある意味、日本映画の金字塔として、名作・傑作扱いされることが多い。ところが、おれは、これあんまり面白いと思わないんだよねえ。若い頃一度見ていて、その時もそう思ったんだが、今回もその思いが強く残り。

一昨年の末くらいから、黒澤明を全作見るなんていう馬鹿な目標を立てて、実際去年の半ばにはその目標は達成していたんだが、何回も書いているように、自分は若い頃、あまり邦画を見ておらず、黒澤も5・6本しか見ていなかった。だから、どれもこれも新鮮だったんだが、その中でも一番面白く傑作だと思ったのは、「生きものの記録」であり、映画通のおっちゃんに「アレは凄いね」と絶賛したら、「あれは第五福竜丸事件を受けて『ゴジラ』と裏表として見るべき」とアドバイスされ、なるほどと思ったものの、ここまでその「ゴジラ」を見直していなかったわけだが、やっと見たので、世界最高峰のパニック映画である(とあえて断言)、黒澤の「生きものの記録」を、今こそ語ろう。

と書いておいて、延々始まらないのはいつものことなので、あまり期待しないように。