電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

現場力をみくびるな

1週間以上前に、電車に乗った時にふと感じたネタを、忘れないようにとメモして、ところがメモしたこと自体をすっかり忘れていたんだが、昨日、電車に乗ったら、まだ絶賛継続中だったので、大したことないネタなんだが、書いてみる。

某携帯キャリア専門ソフト(何か検索系だったか?)の電車の中吊り広告で、2枚分を使うことを前提とした奴がこの数週間吊ってあって、左側の1枚がオレンジ色のベタ、右側の1枚が緑色のベタというキレイなツートンカラーを使っていて、かなり目立つ。いかにも、デザイナーがんばりましたという感じで。が、この手の印象広告は、その商品名なりの刷り込みがウマく出来ないとあまり意味ないと思うんだが、その意味では、自分が商品名を覚えてない時点で失格なのかもしれないとかは、まあいいとしても、問題は、この中吊り広告、その2枚続きの下の部分に、クロスしたデザインで、ポスターと同じサイズの横長のシールを貼るようになっていて、つまり、左側のオレンジ色の下には数センチあけて、緑色の帯状のシールを貼ってあり、右側の下にはオレンジ色のシール。こんな感じ。

さて、電車の中吊り広告だが、あれの交換作業、小さい脚立を持って、パチンパチンと挟んでいくのを見たことがある人は結構いると思う。凄い勢いで仕事を進めていく。

その現場では、シールはねえだろシールはよ、みたいな不満の声が出ているんじゃないのか。単にポスターではなく、シールを追加ししたことで、素材費用がアップしているのは当たり前だが、シールを貼るからと言って、それを貼る用の工数なんて、この時代絶対出るわけない。従って、あの中吊り広告は、恐らく現場に相当不満を溜めている。当然ながら、作業時間の増大が当たり前に予想できるからだ。

ほとんどの場合、デザイナーはこういうことは、考えてくれない。つまり、上に立つ人間がそこをコントロールしないといけない。実際、時たまシールが曲がって貼られていて、台無しになっているのを何回か見かけた。こんな感じ。

現場をみくびってはいけないのである。

いやいやいや、デザイナーは本来紙の部分のみで上記のようなデザインを考えたのだが、この不景気で、代理店の担当者が子飼いの印刷屋の仕事を増やしたかったのでこうした、なんて推理も出来なくはないところに、世界の複雑さが垣間見えるんだが。