電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

プロモーターは飛はなければならない

というわけで、プロモーター話再開。前回までの話は、すぐ上の「プロモーターはみんな飛ぶ」をクリックしてください。

前回の最後にこう書いた。

では、例えば、自分が長年関わっている女子の総合。果たして、ひいひい言いながら、東京で、そして今、やるべきなのか?

これはハッキリ言ってしまえば、そこまで無理してやる必要はないと思っている。もうそれが結論。きっぱり。だってね、女子格関係者以外の誰に聞いても「バッカじゃない、止めた方がいいよ」という声、圧倒多数。もう現実問題として、その通りだと思う。勝算は限りなく低く、道は険しい。それでも、現実として自分は、まだというか、またしても続けている。が、まあこの話は、プロモーターの話を書き続けていけば、どっちにしろ出てくることなので、今はここまでにしておこう。

後楽園ホールディファ有明でやっている格闘技興行の規模は、年間売上げでみても、高々数千万、超弱小企業規模なのだという話も、前回書いた。しかも、利益率は限りなく低い。結果として、儲けるためにやるのではなく、やらなくてはならないという義務感や責任感でやる。多かれ少なかれ、どこも似たようなもんな筈。

では、このままでいいのかと云えば、それは勿論そんなことはなく、ビジネス的な観点からみれば、唯一正しいのは、スマックの末期で、篠さんがやろうとした方法しかないと、自分は考えている。おっと意外な名前が出たって? いやいやそんなことはありません。末期のスマック、篠さんがやろうとしたことは、ビジネス的な観点でみれば、圧倒的に正解な方法で。もうそれしかないと言っていい。

話は簡単なことだ。格闘技興行のビジネス規模が10だとするなら、もっと大きい別のビジネス、100とか1000とかの規模のビジネスを引っ張ってきて、格闘技をその大きいビジネスフレームの1コンテンツとして位置付けてしまうこと。具体的に、末期のスマックで篠さんが何をやろうとしたかの詳細は書かないが、まあフレームだけを抽象的に説明してしまえば、そういうことなのだ。

そうそう、簡単に上手くはいかないけどね。実際、上手くいかなかったけどね。でも、それしかないと思う。

まあ、もうひとつあるとすれば、大金持ちで格闘技が大好きな篤志家が現れること。これはまあ宝くじが当たればいいなというのと一緒ですな。

でもですぜ、今、年間数千万カネをドブに捨てる気があれば、女子の総合の世界は貴方のモノになりますぜ。どうですか、金余りで税金対策にお困りのインチキベンチャーの皆様(なんていないかなあ、この不景気じゃ)。ヴァルキリーでは、いつでもスポンサー募集しております。まずはその辺から如何でしょう。女子総合の世界のみならず、ゆくゆくは日本の格闘技界が貴方様のモノとなる為に、まあその為には、必要資金の桁は、もうひとつかふたつ上がりますが、お話は責任もって、この長尾メモ8が繋いでみせますよ。マジです。ガチです。

さて、少しはメジャーの話もしておこうか。さすがに数千万ではなく、数億の規模でやっている日本のメジャーは、長年地上波の放映権料頼みの方法を取ってきた。簡単にいえば企画込みで映像コンテンツを売ることで資金を得、ビジネス規模を、後楽園ホールの数十倍の規模に引き上げ、やっていこうとするわけだ。

ところが、そのせいで主客の逆転が起きてしまっている。映像コンテンツを買う側、簡単に言えば、地上波が主になってしまった。主催者になってしまった。そのことの弊害は、もう皆さんご存知の筈。自分は、このカタチには未来はないと思う。少なくとも、自分の観たい総合格闘技の世界は、そこでは観られないと思っている。

いや、勿論地上波で放送すること、されることが悪いわけじゃないんだよ。が、今の地上波の世界は、自分には、すべてが大きく狂っているとしか思えない。

飛ぶという言葉には色々な意味がある。「あいつ借金かさんで飛んだぜ」といえば、逃げたとか破産したとかいう意味になる。今回のタイトルは違う意味だ。いわゆる「ドラッグで飛ぶ」的な飛ぶ。つまり、地上波の気狂い沙汰な世界にいくには、頭を飛ばさないとやっていられないということ。プロモーターは飛ばなければならないのだ。

まだまだ続きます。