電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

メディア今昔物語2

昔は、と言っても、5年前くらい程度の昔なんだが、選手の入場曲をMDで持ち込もうとする人が多く。「MDは勘弁してください」と、よくお願いしたんだが、それでも「MDしかありません」という人もいて。確かにしょうがないのかもしれない。CDをレンタルして、MDに録音して保存。何のCDだったか曲目も忘れちゃったなんて場合ですな。

多分、という但し書きはつけるが、ここで書いたように、プロレスの世界だと、ハードの設営まである程度自分で行って、選手から入場曲が入ったメディアを預かり、そのままオペレーターまでやっちゃうというような人だと、こうプレイヤーの上に付箋のついたCDとかMDとかを試合順に積み上げて、だだだーとやっちゃう、おおすげえプロだという感じ仕事が出来たりする。

地方の興行なぞ、行ってみないと音響機材がどの程度のもんか、よくわからない場合も多いんだと思う。下見している経費的余裕なんてないし。だから、最悪はMDウォークマンとかをミニジャックから繋げちゃって、そこから流しちゃう。極論すると、今だったら、MP3プレイヤー系でそういうことも出来る。が、こういう職人芸は、それを実際にやる人が、プロモーション側の人間であり、かつ、それなりの立場と責任と覚悟をもっている場合に限られてしまうんだな。

自分の場合、他にも仕事を抱えるので、この手の音の管理をやる時でも、オペレーターをやることは、まずない。誰かに頼むわけだ。若いバイトくんである場合もあれば、業者系のプロの人である場合もあり。当然、こっちは仕事をお願いする立場だからして、段取りを経てわかり易くしておかなくてはならない。一旦PCに音源をまとめて、きちんと整理してCDに焼いて渡す。

ただ、ここで5年という期間が多いに問題になる。今でこそ音源をPCで管理するのなんて当たり前だけど、当時はそういうことをする人は、あまりいなくて。自分がちゃんと管理したかった理由は「前回と同じ曲を使うなら、今回は持参しなくていいですよ」という言葉を言いたかっただけなんだが。そこで問題となったのが、とにかくMDとPCは相性が悪いのだ。CDからMDに録音するのは簡単。が、MDからPCに音を吸い上げるのがねえ。いやいや、ちゃんとやる方法はある。知っているんだってば。多少劣化していいなら今でも機材もってます。けれど、わざわざ滅多にない機会の為に、いい環境を作る余裕もなかったのだ。

MDはダメですと言っても、これしかないんでという選手が必ずいた時代は終わり、当たり前にCDで持ち込んでくれる時代になった。自分が万が一の時の為に、ミニジャックから民生用の赤白ピンに変換するコードを(そこまで変換出来れば、それを業務用のジャックに変換する奴は大体どこの会場でもあるので、持ち込んだポータブルな機器から出力出来るように)、バッグに放り込んでおく時代は終わった……とか言いつつ、いざとなったら自分のPCから出さなくちゃねと、まだ放り込んである。