電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

ショック! 前田慶次郎が出ないんですって!

天地人」の原作における、前田慶次郎は、超端役だった。それがドラマ開始時点で増補改定された版では、大幅に出番が増え(たらしい、こっちは読んでない)、原作者が、マンガの「花の慶次」的ではない、つまり、実際にそうであったとされる年齢より、あのマンガは若く描かれ過ぎているんだが、こっちの慶次は、カブキ者の成れの果ての、老いと戦う渋い爺さん的な設定にしたんだ的なことを言い出し、NHKの問い合わせ窓口でも、そういう慶次像で「夏以降に登場する」という回答がなされていたようで、天地人に慶次郎が出ることは既定であり、だからこそ、自分も散々誰がやるのかと書いてきたわけだ。

NHKの問い合わせ窓口の回答が、7月の後半になって変わったらしい。「中途半端に出すのは失礼」「なので出さない」的な方向に。

大物キャストのアサインに失敗したんじゃないかとか、色々勘ぐることは出来るが、結局は、脚本家の筆力のなさの証明だと思う。魅力的なゲストを作る余裕がないんだな。「天地人」、随分と持ち直してきていると思う。しかし、役者の演技は面白い(人が何人もいる)ものの、そしてその演技に救われているものの、とにかく浅くて軽い。浅くて軽いんだから、浅くて軽いツクリにすればいいのに、明らかに大河らしい重さを目指しているのに、失敗して浅くて軽いようにしか見えない。やたら、上杉が平和ばかり望むのにも辟易。謙信公が草葉の陰で泣いてるよ。

深田恭子の茶々がいい。この人、演技はヘタなのに、とにかく本物の感情(に少なくとも見えるもの)を、いとも簡単に作ってしまう。アホアホな役でも固い役でも全部同じ(なのでヘタクソという印象を与える)。けれど、どんな役でも、感情が本物なので、全然不自然さがない。そこが凄い。もう少しいい歳のとりかたすれば、原節子的な大物感が出てくるんではないか(過大評価)。いやなに、最近の若者にすれば、原節子って誰よという話なんだが。我が青春に悔いなし。