電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

言葉より優れたもの

菅直人が「エクセルを習得しても仕事がない」的な発言をテレビでしたそうで、その本意がどこにあるのかは、どうでもいいんだが、ひとつ気になるのは、菅さん、エクセルというソフトを「事務職の必須ソフト」として認識しているのか、「IT系の専門スキル」と見なしているのか、まずはここで話が大きく変わってくる。多分前者だとは思うが、後者としてエクセルだなんて言っているなら、ちょっとアレだから、そうじゃないと信じたい。

さらに気になるのが、「エクセルを習得」「エクセルが出来る」とは、一体どのレベルについて言っているのかということ。菅さん東工大だし、PCくらいは使えそうな気はするものの、エクセルをそこそこ使える人間なら、どこまで出来れば「習得」「出来る」のか、考えれば考えるほど、わからなくなってしまう筈だ。

例えば、自分のようなソフトの開発屋は、ハードにも詳しいと思われるのと同じくらい、ワードやエクセルなど出来て当たり前と思われることが多いんだが、おれは、ワードなんかさっぱり出来ない。あの文字がフワフワ入っていく感じが、昔から嫌いなのだというのが第一。だから、顧客から要求された文章フォーマットがワードである場合を除けば、自分からワードなんて立ち上げることはない。一方、エクセルはまあまあ好き。ビジネス文章をこっちの好きなフォーマットで作っていいなら、大体の場合、エクセルを使う。つまりワープロとして使う。そもそも、前提としては、息の長い日本語はみんなエディタで書いてしまって(この文章も秀丸で書いている)、最後にエクセルに貼る。つまり、レイアウトソフトとしての使い方をする。大体は、カラムを全選択して小さい正方形にして、シートを方眼紙にしてしまうところから始める。こうしておくと、オアシスで育った世代としては、ワードより罫線がはるかに使いやすいのが、エクセルを使う圧倒的な理由。

ビジネス文章以上の凝ったことをやって印刷したいなら、イラレなり何なりを使えばいいし、完成物ではなく、文章入稿用途なら、エディタでのベタテキストのままで大体どこでもOKだ。

開発屋であるからして、マクロやらVBAとなれば、お手のもんとも言えなくもないが、さすがにエクセルで、こういうことを、自分から新規にモノを組む気にはならない。いいとこ、マクロで縦計・横計とって、ちょっと加工するぐらい。つまり、あくまで文系事務処理用。グラフなんて書いたことない。さて、このレベルは「習得」「出来る」と言えるのか。大体、エクセルのマクロは「回帰分析」とか出来てしまうわけで、自分なんて開発屋でありながら、私学の文科を中退なのであって、回帰分析の意味自体が、未だによくわからない。

「エクセルを出来る」ではなく「エクセルみたいなソフトを作れる」なら、仕事はあるというような発言をツイッターで見かけたが、そりゃ、あまりに、スキルのレベルが違い過ぎる。自分は「エクセルみたいなソフト」作れないことはないが、イチから書き起こして1人で作るなら、3年かかります。大体、「エクセルみたいなソフト」を作るなら、外出しされたエクセルなり同機能のコンポーネントを使えばいいだけの話で、イチから開発しようなんて発想しているようじゃ、マトモな開発屋じゃない。まあ何だかんだと理屈をこねて、自前で作るとハッタリこいて、工数を吹っかけるという営業はなくはないだろうが。

と、この文章、特にオチはないんだが、エクセルとワードということから、タイトル思いついて、タイトルから、ここまで書いてしまう、自分の文章スキルなら、仕事あるかな?