電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

いつまでも最強じゃいられねえ

ざわざわとした週末でした。

今週は色々と忙しい。やっておくべきことを、予めやっておけばいいのだが、その時にならないと動けないことも多く、だったら、その時に一緒にやろうと後回しにするから、余計テンパるのだが、まあ、それはいつものことなのでしょうがない。が、その予感の為に、心が、ざわざわする。

単なる観戦者としては、この週末は、感動のストーリーがいくつもあった。松井秀喜ワールドシリーズにおける活躍(日本シリーズの方はまったく観ていないんだが)を始めとして、格闘技関連でも、戦極ヒョードルと色々あったわけだが、自分にとって、この週末、一番インパクトがあって、一番考え込んでしまったのは、もう月曜に日が変わってから読んだ「ワンピース」だった。何か最近はこのパターンが多い。

主人公のルフィは、内面の声を呟かない。呟くくらいなら、いきなり叫んでしまったり行動してしまったりする。作者自身が単行本のオマケで、そういう設定なんだと書いている。それに対置するかのように、今回の「白ひげ」は、やたら内面の声を呟く。これが切ない。さらには、それを盛り上げる為のワキの配置もバツグンだ。クロコダイルの白ひげに対する態度の変化が、これほど胸を打つのは、時間をかけて、延々と悪役クロコダイルを描き続けてきたからだろう。

老い」「歴史」「人としての営為の意味」そして「強さ」。勿論、強さとは、物理的な強さだけではなく人としての強さを含めて。そんなことに思いを巡らすことが可能な作りになっていて、この意味で「ワンピース」は、既に凡百の小説やら映画、いや過去の余多の名作のレベルをも、遥かに超えてしまっている。

今回のシリーズ、これは、やはり「海の王者」であるところの「白ひげ」の後継者指名の物語なのか。「白ひげ」は、やはり「エース」に(そして多分ルフィに)未来を託そうとしているのか。「若い命をたった一つ未来につなげりゃお役御免」なのか。

少なくとも、現時点で断言できることは、少年ジャンプの国民的人気マンガが、40代後半の疲れたおっさんに、これほどモノを考えさせることは異常だ。とにかく、異常に面白い。