電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

西荻、ラブホテル、朝の5時

近所の富士そばで、早めのブランチ、朝の5時。いや、今日は2時に起きたので、5時でもブランチなんだよ。仕事がデスマーチを奏でている、ここ最近の定番である、24時間マックでコーヒーを2つ買って持ち帰りしようと思って(ひとつは直ぐ飲んで、もうひとつは時間が経ってからレンジで暖め直す、最近自宅でコーヒーを淹れるのすら面倒になってきた)、そちらに歩を向ける。

西荻窪駅周辺の地理をご存知の方なら、わかると思うのだが、南口の富士そばから見ると、ガード下のマックは斜め向い、約50メートルほどの距離がある。富士そばのトイメンには、みずほ銀行があり、その隣が、有名菓子店の「こけし屋」、続いて、駅前にあってもおかしくないオシャレ目のラブホテル、その隣がパチンコ屋、そして、路地を1本挟んでマック。ホテルの隣に、こけしがあるのは、暗喩としてよく効いているかもしれないが、積極的な意味はない(と思う)。

朝の5時であるからして、人通りはない。にも関らず、丁度、ラブホテルからカップルが出てくるところに出くわす。キレイ目かつオシャレ目のお姉ちゃんが前にいて、男の顔は見えない。普通、男が先に出るもんだろと思うが、そうでもなかったか、もう何年もラブホテルなんて入ったことないので(当然出てきたことないので)、こういう場合、自分ならどうするか、咄嗟に思い出せない。

キレイ目な姉ちゃん、この時間なら、人に会うこともないだろうみたいな顔して油断してやがる。ツイッターでチクってやると即座に思う。いや、どこのどなた様なのか、こちらは知らないのであって、おれがツイッターで呟いても、何がどうなるわけではないのだが、そういう心境なのだ、こっちは2時起きで仕事しているわけで、可能ならば、砂浜を思い切り駆け出して、海に向って、馬鹿野郎と叫びたい心境というか。

どんな文章で呟いてやろうかと、頭の中で練り練りしながら、予定通り、マックでコーヒーを注文。カウンターのお姉ちゃん、美人というほどではないのだが、宇多田ヒカル似で、化粧が本人絶対それを意識していることを感じさせて、少し和む。よしよし、これもツイッターで呟いてあげるよ、偽ヒカルちゃん。ところが、偽ヒカルちゃん、コーヒーふたつをカウンターに並べた挙句、袋入れますかなどと言い出す。

おいおい、勘弁してくれ、偽ヒカルちゃん。

ひとつなら、まだわかる。が、ふたつで袋なしで持って帰れは厳しいだろ。両手に荷物を持って歩くのは、危ないから、片手は空けなさいと小学校で教わらなかったのか。この偽ヒカルちゃんの世間知らず。横にいたイケメンのマネージャーにやられちゃえ。せっかく好印象を呟いてやろうと思ったのに、こついもツイッターで叩き呟きだ、今に見ていろ、こんちきしょう。

そうして、あと1時間もすれば、西荻の空も白み始める。出勤の人の流れと足音で、空気がピンとしてくる。今日も西荻を中心に、世界は動きだす。さて、仕事だ。