電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

本の9割は電子出版でいい

「米Apple、噂のタブレット「iPad」発表 〜9.7型液晶、iPhone互換、499ドルから」

噂の「iPad」、ようやく発表。アップルは例によって、徹底して自分の琴線に触れない(というか、自分がPCやら周辺機器を使うにあたって、見事に必要のない)ところをついてくるなーというのが、まず第一印象だったんだが、まあ、これは自分の好みの問題として。

ひとつ気になったのが、ディスプレイが1024x768という点。ざっくり色々な報道を見たんだが、これに対する的確な指摘は見つからず。何故もっとワイド(通常は縦長)じゃないんだろうというのが、自分の疑問。発表された内容は、なんだタプレット型のMACじゃんという話だったわけだが(勿論ウリは色々あるにせよ)、これ当初の噂通り、実は単純なキンドル・シフトなマシンに見える。本気で動画見せるつもりはないだろというか。

だとしたら、「iTunes」が、日本の音楽業界の未来なんて何も考えてないのと同じくらい(いやむしろ徹底的に既得権益を破壊にかかっているわけで)、「iBookstore」は、日本の出版事情のことなんて考えてくれるわけもないのであって、これが日本でどの程度流通するかは、もうどこまで国内出版社を取り込むか、アマゾンとの競争になるんじゃないのという話で、こういうのはアップルはあまり強くないのではないか。つまり「iPad」、あまり国内市場が明るくは見えないというか。

しかし、キンドルに対する国内出版社の対応、相変らず全然みえてこない。ここがむしろチャンスだと思うんだけどなあ。やはり日本独自の流通形態・取次の問題なのか。もうそういうことに拘っていると、どんどんヤバくなっていくだけだと思うんだが。勿論、キンドルに出すなら、「iBookstore」にも出すという判断する出版社は多いとは思うので、大手がどっか一社決断したら、雪崩れを打つような気もしなくはないんだが。

個人的には、現状、本の9割は電子出版でいい。それでも、アナログレコードが生き残っている以上に、紙で本を持ちたい人は存在するだろうし、自分にとっても、紙で欲しいと思わせてくれる1割の本こそが重要だ。が、そこは好事家とマニアの世界の話でいいのではないか。