３年目の親指シフト
正確な日時は覚えてないが、春だったので、３年目なのだ、親指シフト。
少しづつやっていた新マシンのWindows7への環境移植が、ようやくほとんど済み、使いながらだから、昔から使っているソフト群のWindows7との相性なども、確認しながらであり、勿論、一番重要なのは、親指シフト環境であるのだ、自分の場合。
前のＸＰマシンでは、定番の「親指ひゅんＱ」（という親指シフトエミュレーター）メインで、やはりこれも定番の「KeySwap」（こちらはキー入れ替えソフト）なども使って、ガリガリにいじっていたんだが、あまりやり過ぎると、他のマシンへの移植が面倒くさいということに気付き、今回は、これは親指シフトとは無関係にもう１０年以上使っている「秀CAPS」で「漢字」と「半角／全角」を入れ替えるくらいで、後は「親指ひゅんＱ」の、ほぼデフォルトに近い状態で使うことにした。
「親指ひゅんＱ」、基本的にはWindows7でも動くんだか、例のVISTAから激しくなった管理者権限という奴が曲者で。これで実行されちゃうソフトにまったく親指シフトが効かない。勿論「親指ひゅんＱ」自体を管理者権限で実行してみたり、色々やってみたもののダメ。心配していたオフィス系のソフトではあっさり動いたのは意外だったが。
うーむ、いよいよ自分で作るしかないかと、少し調べてみたが、やはり、さくさくっと作れるレベルではない。基本となるキーボードフック（ＩＭＥにこのキーが押されたよという信号が渡る前にそれを奪って自分の処理をすること）に色々なレベルがあって、難しいのだよ。キチンとやるなら、上記の「KeySwap」がやっているデバイスドライバ・レベルのフックをしちゃうべきだとも思うんだが、それを実現するスキルに欠ける上に、いやいやその位、昔取った杵柄、調べりゃ出来ないことはないんだが、相当のトライ＆エラーが予想され、開発中に開発マシンを何回も破壊しそうなので、つまりテスト工数がかかり過ぎる感じで。
さて、どうするかなーと、富士通のオアシス以来の由緒あるＩＭＥである「Japanist」やら（普通のＩＭＥだが、親指シフト対応が可能）、こちらは「親指ひゅんＱ」と同じくらい定番の「em1Keypc」（こちらはエミュソフト）とか、色々検討してみた。
「Japanist」は「Japanist2003」が現時点での最終バージョンであり、Windows7へは正式に対応したものの、64ビットソフトへは未対応がアナウンスされている。つまり将来性がない。実は「親指ひゅんＱ」に対する不安もここが一番大きい。既に開発が止まっているのだ。その点「em1Keypc」は近年でもメンテが入っているので、そこはいい。が、いじってみると、「親指ひゅんＱ」に出る不都合はやはり解消されてない上に、他の不都合も発見。このソフトは基本が「Windows Mobile」用のソフトでそこからの逆移植なので、あまり期待するのも無理なような気がする。
これは困った、いよいよ作るかという段になって、「やまぶき」というのを発見した（作者の方のブログはこちら）。いじってみるとこれがいい。「親指ひゅんＱ」でダメだった部分がすんなり動く。キーカスタマイズも、まあまあ、分かり易い。何より開発が絶賛進行中。これが素晴らしい。
このソフト、「親指ひゅんＱ」のように、ボタンポンではないのだが、その分スクリプトを食わせて、NICOLA（親指シフト系の規格というかコンソーシアムというか、まあそんな感じのもの）系の色々な配列のエミュレートが出来るようになっている。後続の人への参考に、自分が純正NICOLA配列のスクリプトをいじって、自分用に修正した奴を載せておく。
[シフト無し]
１,２,３,４,５,６,７,８,９,０,−,無,無
。,か,た,こ,さ,ら,ち,く,つ,：,、,無
う,し,て,け,せ,は,と,き,い,ん,後,逃
．,ひ,す,ふ,へ,め,そ,ね,ほ,・,無
[左親指シフト]
？,／,〜,「,」,［,］,（,）,｛,｝,無,無
ぁ,え,り,ゃ,れ,無,ぢ,ぐ,づ,ぴ,無,無
を,あ,な,ゅ,も,ば,ど,ぎ,無,無,後,逃
ぅ,ー,ろ,や,ぃ,無,ぞ,無,ぼ,゛,無
[右親指シフト]
？,／,〜,「,」,［,］,（,）,｛,｝,無,無
゜,が,だ,ご,ざ,よ,に,る,ま,ぇ,無,無
ヴ,じ,で,げ,ぜ,み,お,の,ょ,っ,後,逃
無,び,ず,ぶ,べ,ぬ,ゆ,む,わ,ぉ,無
[小指シフト]
！,”,＃,＄,％,＆,’,＜,＞,無,＝,〜,｜
無,無,無,無,無,無,無,無,無,無,＠,＊
無,無,無,無,無,ぱ,無,無,無,＋,後,逃
無,ぴ,無,ぷ,ぺ,無,無,無,ぽ,？,＿
最初に、半濁音は小指シフトで覚えてしまったので（そして、「は」と「ば」と「ぱ」が同じキーで出せるってのが、やっぱり好き）、今更、純正NICOLA配列（小指シフトは英字になる）を指に覚えさせるのは面倒だというのがこのスクリプトの主眼。それ以外では、自分はビジネス文章書く時、何故か全角のコロン「：」を結構な頻度で使うので、変なところに入れていることくらいか（親指シフトのエミュレートをしようとすると、コロンの逃し場所は迷うよねー）。まあ、昔から「こ」で単語登録してあって、もう指がそれを覚えちゃっていて、多分そっちを使うんだが。
