電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

旅の続き

旅の途中で考えた。

努力したからと言って、誰もが幸せになるとは限らない。いやここで、幸せという言葉を使う事は卑怯というものか。それは、単なる経済的成長と考えてもいいし、自己実現という抽象的な概念であってもいい。

けれども、どんな分野であろうと、努力しない奴が一定の確率で存在するから、努力する奴が相対的に浮かび上がるというのは、圧倒的な事実なわけだ。

だからこそ、世界は面白いのだと言えば体裁のいい結論になるが、勿論自分はそうはならない。

世界は苦悩に満ち、人々はいつだって立ち止まる。どうせ上手くいかないのならば、努力など最初からしなくともいいのだ。

だからきっと、成功する為の努力ではなく、心底、絶望する為の努力。もう生きる必要もないと思えるまでの努力。その日が来るまで、浮ついた浅い絶望を飼い慣らしながら。

列車の窓から見える風景。雨が降っている。煙った山並み。ほら、世界はこんなにも暗い。そうして、まだ旅は続く。