電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

もし「もしドラ」作るカネをおれにくれ

タイトル日本語になってねえ(苦笑)。町山智浩さんが、こんなツイートをしたと。

もしもドラッガーが云々って、半年後には確実にゴミになって1年後には誰も忘れてる映画作る金観る金があれば被災地に寄付したほうが役に立つよ

結果としては、監督だとかエグゼクティブ・プロデューサーだとかにリプライされ、町山さん、見てから批評すべきだったとすぐ謝罪するわけだが、それでもメゲずに、延々自己啓発本とかビジネス本をクソだと罵倒しまくり、勿論、それには大賛成だ。

実は、自分は間違って『もし高校野球のマネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を読んでしまったのだが、結構面白かった。ただ、面白かったというレベルが、この小説がクソ本であるという前提において、おやおや想像していたより読ませるじゃんという話であって、それはこの小説の主筋がいわゆる難病モノであって、ちょっと泣かせるんだな。動物とか子供とか出すのと一緒でさ。泣いた自分に腹が立つ的な。

で、肝心のドラッカーは、あくまでこの小説を売る為のマーケティングとしてのみ機能していて、少なくともこの小説を読んでもドラッカーの「マネジメント」がどういう本であるのかなんて理解出来ないし(想像は出来るけど)、極論してしまえば、ドラッカーは小説の内容に何も関係ない。

つまり、頭の悪いビジネス本購買層に、このクソ本を買わそうというマーケティング手法が、中身にも半ば強引に落ち着き悪く登場するという話であって、そういう意味ではちょっとメタフィクショナルであったりもする。かと言って、作者がその批評性に気付いてないので、この小説のクオリティーを上げる事にはまったく機能しておらず、この小説を売る為にのみ鋭く機能しているというあたりが、所詮、クソ本はクソ本でしかないという。

かと言って、こんなもんがベストセラーになってしまい、あまつさえ、面白がってる奴があっちこっちにいるのが現実なのであって、だったら、別にNHKがアニメ化したり(アニメ自体は1回も観てないけど、ネットで広まっていたあのテニス場みたいな野球場は酷かったねー)、AKB主演で映画化されたりしたりするのも、ビジネスとしては当たり前の事であって、その事自体は何も悪い事ではない。

何も悪い事ではないんだが、そうやって益々世の中クソばかりになって、それでいいのかと言えば、まあ不景気だし、しょうがないよねと、消極的に肯定してみたりして。おいっ。