電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

上を向いて眠ろう

上を向いて眠るのは涙がこぼれないようにする為だという話ではまったくなく、物心ついた頃から横を向いて寝る人間で、同じ横を向いて寝る人でも、大体左右どちらか一方でしか眠れない事が多いようだが、自分はどっちでもOKで、兎に角、上を向いてだけは寝入る事が出来なかったのである。

ところがこの数年、目が覚めると上を向いている事が多い。ほぼ毎日。何となく原因は太り過ぎのような気がしていて、多分内臓のどっかだが横を向いていると圧迫されるとかで、いつの間にか上を向いてしまうんだと思うが、そんな事はどうでもよろしくて、そうして、目が覚める時に上を向いているにも係らず、寝入る時は、相変わらず、横を向かないと眠れない。不思議だ。

しかも、横を向いて寝ると耳が痛くなる事が多いんである。肩コリ首コリが慢性的で、恐らくこれが原因なんだろう、首がリキんで枕に耳を強く押し付けるようにしてしまい、結果、耳たぶのあっちこっちが痛くなって、その痛さで目が覚めたりする。これがあまりに痛いので、無意識のうちに、腕枕をしてしまうようになって、つまり、枕と耳の間のスペース作って押し付けないようにするわけなんだが、それでも横を向かないと寝入れない。

一応オチとしては、そうこうしているうちに特に理由も発見できないまま、最近突如、上を向いて眠れるようになったというだけの話なんだが、自分は強い子なので、いちいち夏の日や一人ぼっちの夜を思い出して泣いたりしないので、だから上など向かなくても涙なんてこぼさないんだと強がりながら、その実、上向こうが横向こうが、こぼれるべき涙は、いつかこぼれるんだから、それでいいじゃねえかと思って、ここではないどこかを向いて眠るんである。