電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

ワンピファンの為の映画

まだ公開されたばかりなので、基本ネタバレはなしで「ONEPIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼット」の話。

尾田栄一郎が深く係わった前作(と言い切ってしまう)の「ストロングワールド」はここで書いた通りイマイチだった。が、今回はバツグンにいい。しかも上記で、映画としての完成度を上げようとするなら、ある程度、原作を陵辱するしかないんじゃないかと書いたんだが、それとはまるで逆、つまり、さらに原作に寄り添う方向でいい出来なんである。

もうテレビアニメでもそこまで行ったので、これは書いてもいいだろう。青キジは赤犬に負けて海軍から去ったわけだな。その青キジが大活躍。超シビーぜ。ツイッターでも呟いたんだが、観た後に、ああだこうだと言い争いをしてる小学生の集団に、そうじゃねえよあそこはこういう意味だよとか教えてやりたくなるというか、青キジ、カッコよかったよなあと同意を求めたくなるというか(オジさんシャイなので、実際には出来ません)、そうやって、とにかくこの映画について、何かを語りたくなるという(だから、こうやって早速書いてる)。

前作と比較して、バトルシーン、描かれている中味は大して変わったわけではないのにバツグンに面白い。原作らしさをアニメに置き直すのでなく、動いて面白いことを前提にしたアングルとカット、アクションがよく考えられている感じで。だから、バトル内容自体はシンプルなのにワクワク感がずっと持続した。オープニングのタイトルバックもやたらハイセンスでカッコいい。

勿論、原作を知らない人がこれを見て、映画単体として傑作だと思うかと言われたら、そうじゃないだろう。でも、国民的マンガ・ワンピースの映画なんだから、これでいいんだと思うわ。そりゃ突っ込もうと思えば、いくらでも突っ込める。ドッグの連中もう少しちゃんと描けよとか(あとオマケの千巻はイマイチ)。が、とにかく原作ファンとしては堪らない出来。満点をあげたいな。辛口が身上だから超珍しい。