フォースと共に自爆テロ
年末にもなって、今年2度目の更新であるという体たらく。しかも、またスターウォーズの話かよという。
さて「ローグ・ワン」に対して、こう呟いた。
「ローグ・ワン」。フォース教、怖い。全編これ自爆テロとバンザイアタック。まあ面白い事は確かなんだが。ギャレスも才能あんだか無いんだかよく分からないけど、少なくともセンスは感じねーな。確かに、マイナーでもっと作家性の強い作品撮って、もう一度何かを証明すべき。 #eiga
まあ、実際はもうちょっとゴチャゴチャ呟いたんだが、基本はこういうことで。
ところが「ローグ・ワン」という映画自体は、本国米国では、オルタナ右翼が上映反対運動(?)を始めてしまったらしい、つまり、そういう民衆の側の映画という解釈が当たり前らしい。
ISを生み出してしまった(?)、米国の帝国主義を棚にあげて、なーに言ってるんだかという気がするわけだが、こういう見方(つまり、ドニー・イェンに象徴されるフォース教への狂信性が気になった自分のような感覚)は、米国どころか、日本においても少数派らしい。
スターウォーズの場合、シリーズ通して、帝国軍は、ありがちな、ナチス暗喩の全体主義の圧政集団として描かれるわけだが、実際の映画の中では、デススターで都市どころか惑星ごと破壊するという圧倒的な悪事を働くものの、事がデカ過ぎて、あんまりリアリティがないというのもあるし、実際に民衆を弾圧する模写というのは、ほとんど描かれないのもあって、帝国ってそんなに悪いんですか感が結構あって。
まあ、所詮がスペースオペラだから、帝国は最初から悪であって、そこに戦いを挑む反乱軍の神話だというのが、物語の基本構造でもあるので、そこに文句つけてもしょうがないと思うんだが、フォースだって、結局、理「力」という力なんである。事実エピソードの2や3あたりでは、選民であるジェダイが共和国を治めていたりして、ナチスが左側からスタートしたように、帝国軍は、実は帝国的要素よりも最初は左(つまり権力簒奪の過程においては民衆の側)で気がつきゃ圧政を行う独裁者という可能性はかなり強そうにみえる。第一、絶対悪のシスやベイダーだって、フォースのダークサイドだもんな。
要は、フォースなんてなきゃ、みんな幸福になれそうな気がしないでもないのである。
フォースも希望も、帝国の側にだってあるわけだしなあという、何かあんまりオチずに〆らない話で、今年を仕舞っておく。
【追記】
エピソード5を観ていたら、ローグ2やら3やら出てきて、つまり「ローグ・ワン」とは「爆弾三勇士」とか「死んでもラッパを離しませんでした」と同じである事に気付く。控えめに言っても硫黄島の星条旗だ。やっぱ、フォース教、恐い。