電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

南から来たロック

昨日書いた川本真琴の末期のツアーで、ファーストの曲では比較的普通のロックっぽい曲である「STONE」という曲を、スライドギターぎゅんぎゅんのアレンジでやっていて、おお、まるでサザンロック、まるでオールマンブラザーズじゃないかと、わざと独り言を呟いて悦に入ってみたものの(カッコいいんだが、川本真琴の声質にあってないような気もする)、考えてみれば、オールマンブラザーズパンドなんて、もう25年以上も聴いてないのである。

それではと、とりあえずユーチューブで検索してみると、売れたバンドは、すべて再結成するという法則がここにも適用され、比較的、最近のライブ音源などが多く見つかるのだが、これはもうアメリカには100マンコくらいあるだろーという、カントリー色の強い、ザ・バンドの出来損ないのような音に、高中正義みたいなギターが乗っているだけで、いやまあ普通のカントリーバンドと、ザ・バンドの間には、男の女の間にあるくらいの、深くて暗い川があるんだが、少なくとも、おれの知っているサザンロックはこういう音じゃない、それじゃあと古い音源を探してみれば、こっちにはちゃんと南部の黒っぽいウネるグルーヴ感があって、そうそうこれこれ、やっぱりデュアンがいないとダメなんだ、これこそがリトル・フィートのファンであった自分が、勝手にライバル心を燃やしたオールマンブラザーズだと思って、ちょっと、ほっとしたのであった。

ちなみに、昔は、ジミー・ペイジリッチー・ブラックモア、どっちか強いかを巡って、ロックファンは、いつも飲み屋で殴り合いをしていたし、ロッキン・オンのファンは、いつも本屋を襲撃してミュージック・マガジンに火をつけていたし、渋谷陽一中村とうようが喧嘩した時には、世界が真っ二つに割れて燃え上がったものであり、リトル・フィートのファンがオールマンブラザーズにライバル心を燃やしても、何ら不思議ではない時代だったのである。ホントだよ。