電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

今こそ新珠三千代のエロさを語ろう

山下敦弘という若手の監督がいて、自分的には期待の監督なんだが、2年ほど前の作品の「松ヶ根乱射事件」というのがあって、かなり高評価されていたようだが、この監督としてはさほどのモノとは自分は思ってなく同じ年の作品なら、くらもちふさこの原作を見事に映画化した「天然コケッコー」の方が好き。が、そういう内容の話ではなく、この「松ケ根乱射事件」で、呆けた爺さんが、若い姉ちゃんにエッチなことをしようとして怒られるところで、「ううう、新珠三千代が」とか言い出すシーンがある。ここで爺さんに「新珠三千代」と言わせるセンスに関心してしまう。

山下敦弘は、自分より1回り以上年下の1976年生まれであり、自分ですら「新珠三千代」と言えば、地上波の「細うで繁盛記」あたりで、堪え忍ぶオバさんを演じているのが、恐らく最初の記憶であり、エロの象徴としての新珠三千代なぞ、リアルタイムで知るわけはないのである。

1950年代末から60年代半ばまでの映画における新珠三千代は、びっくりするほどエロい(当時の邦画であるわけで、別に、おっぱい見せているわけじゃないので、そういう直接的なエロは期待しないようにね)。

ジブリ鈴木敏夫がDVDの帯コピーを書いている川島雄三の傑作「須崎パラダイス 赤信号(1956)」は、小悪魔的な娼婦崩れ。んもう普通にエロい。「一夢庵風流記」の隆慶一郎が、池田一朗時代に原案をやって谷口千吉が監督した「遥かなる男(1957)」、これは元祖無国籍アクションで、我侭だがしっかり者の出戻り役で、生意気にエロい。自分的にトドメを指すのが、岡本喜八の「江分利満氏の優雅な生活(1963)」であり、これは山口瞳のサラリーマン物の原作を、忠実ながらアバンギャルドに映画化した傑作であり、ここでの新珠三千代はちょっとモダンだけど普通の主婦なのに、これが異様に人妻エロい。ああエロい。

勿論、山下敦弘は、こういう映画を見た上で、「ううう、新珠三千代」と呆けた爺さんに、2006年に、言わせているわけで、そういうのって何かいいよね。さあ、世界の爺さん達よ、皆で揃って、新珠三千代のエロさを語れ。

 

 

 

 

あれ「遥かなる男」はDVD出てないんだな。面白いのに。しょぼーん。

遥かなる男
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD25499/