電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

愛があっても続かない

数日遅れのネタなんだけど。

山口社長「12.25『ハッスルマニア』が新体制一発目です」ハッスル年内4大会中止!!【会見全文】

プロレスは、もうホントに全然見ていないので、よくわかってません。が、こういうニュースが出ると考えることは多い。やっぱり、プロモーターはみんな飛ぶ。というわけで、久々に連載ネタに入れておこう。

いやあ、直前の中止ってのは大変だよなあ。勿論のことだけど、この場合、昨日の後楽園、ハコ代は払うわけで(照明その他オプションは払わないでいいので、いくらかは安い筈)、かなりの出費。そのあたりからしてクリア出来るのか、まったく他人事ながら心配になってしまう。つまり前日の段階で中止を決定するのは、もう引くも地獄、進むも地獄の状態になっているわけで。ハッスルならこういう状況こそネタにすべきみたいな意見も、ネットのそこここで見かけたけど、無理だって。それやると債権者が怒るんだ。誠意をみせろとか何とか。いやもう債権者が正しいとしか言いようがなく。

この会見を読む限り、社員が昔10人、今5人だそうで。はっきり言って、月イチの興行やる団体にしては多過ぎ。山口さんも言っているが「月1〜2回というスタイルの中で、メガイベント方式をしばらくとったのが原因」というのは、もうわかりやす過ぎ。給料出ないなら辞めるとか言っている若い子がいっぱいいそう。けど、ハナから無理だわ、そんな社員数は。20万払って5人でも月100万。10人入れる事務所の維持費にいったいいくらかかるのかと考えていったら。

毎月、デカいハコでやって客がバンバン入っているなら、まだあれだが、後楽園クラスなら、月イチ超満員を確実に維持できても危ないというか。そんなの続きっこないというか。勿論、スポンサー次第では可能なのかもしれない。が、今時、テレビがつかない後楽園規模の興行にどれだけカネ出してくれるスポンサーがいるのかって話で。

新日本は随分よくなっているという話は、噂レベルではよく聞くけど、メジャーが好調になると、それに引きずられて、それ以外もよくなるということは、実は、ほぼなく。往々にして、食い合っちゃうだけなんだよね。

さて、そういう状況になって、ハッスルが、それこそ食えてない劇団とかバンドのレベルにまで、色々なモノを落せるのかと言ったら、それはやっぱり無理で。仮に落としたとしても、負のスパイラルが始まってしまうだけで。ボクシング(の底辺は)はとっくにそういう世界が出来ていた。キックだってそうだ。総合もようやくそれが常識になってきた。プロレスでも、そういう世界は山ほどある筈。けれど、ハッスルだからなあ。最初からWWEを意識したメジャーイベントとしてスタートしているわけで。ハッスルというコンテンツ自体が、メジャーであることを要求しているんだから。

インリン様と揉めて、高田総統が引退して、あのあたりが引き時だったのは、誰の目にも明らかだったわけだ。だけど、続けようとした。わかるんだよなあ、その気持ち。続けたい人がいるのは。雑誌編集の人だった山口さんが、興行の魔力にはまってしまい、続けたかったのか。はたまた、選手を含めて、下にそういう意思を持つ元気のある奴がいて、何とかしてやりたいという親心だったのか。山口さんは、自分よりひとつ下で、谷川さんよりふたつ下。いい歳になってから、興行の世界に首突っ込んだ者として、向こうは自分のことなんて覚えてないだろうけど、こっちは結構シンパシーを持って見てたんだが。

多分、いや間違いなく、同情なんていらない、カネをくれの世界。だから、中途半端に応援してますとか、がんばってくださいとか言う気にはならない。よしこう書いておこう、早く潰れてしまえ。

続けるなら、抜本的に変えないと無理でしょう。スポンサーが山ほどカネ出してくれて、テレビがついてという形態を、もう一度目指しているなら、それは無理ってもの。では、どうしたらいいのと言われたら、自分にはわかりません。近い世界ではあるけれど、やっぱり色々違う女子総合の世界を成り立たせるのに精一杯で。知恵があったら、自分のとこに使うもんな。わかるのは、ここから続けようとすると、益々負債が増えるということだけ。止めた方がいいのは間違いない。

愛は、引き時を間違えさせる。