電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

別クラスタへのマーケティング

前回この連載で、RSSリーダーの話を書いたのだけど、自分がRSSリーダーと書いても、それ何? 状態の人も、結構いるんじゃないかと思う。簡単に説明してしまえば、各ブログ(に限らない)が、システム的に作る「フィード」と呼ばれる更新情報のファイルを捕まえて、そのブログをいちいち読みに行かなくとも、一括して読んでしまう仕組み。勿論、色々な使い方があって、はてなアンテナみたいに「登録したサイトのどっか更新されたかな一覧」にも使える。

ぶっちゃけ書いてしまえば、自分はRSSリーダーを使ってないし(アカウントは複数持っているけど)、多分これからも使わない。「効率的に情報収集する」なんてことをあまり考えてないというのもあるし(そういう目的で使われることが多いようだ)、何より、RSSリーダーで他人のブログを読むなんて、味気なくてやってられない。別に更新してようがしてまいが、自分のローカルブックマーク(という書き方でも分り難い人はいるか、IEの「お気に入り」のことだ)をクリックして、そのブログが開くのに、わずか数秒しかかからないわけで、確かに1日に百も2百も他人のブログを見ている人だったら、リーダーをチェックすることで、数十分なりの時間を短縮できるとは思う。

が、自分の場合、そこまでネットを見る時間を効率的に使いたいという気がないというのが一番。毎日とか、それ以上の頻度でチェックしにいくところは、20かそこらだし、あとは気分で格闘技系をまとめて読みにいったり、時事ネタ系を読みにいったり、ライターや批評家系を読んだり、技術系を集中して読んだり。つまり、更新されているという1点の基準で雑多なネタを読みに行っても、こっちのアタマが混乱してしまうというか、読む気分になれない話題だってあるわけで。

勿論、はてなアンテナにしても、RSSリーダーにしても、自宅と職場でブックマークを共有する為に使うという人も多いだろう。が、自分はそういうことがない。客先や出向先のマシンでネットをするということも、ほぼなくなってしまった。

さて、ここまで、長々と自分のRSSリーダーに対する考えを書いてきたかといえば、別に自分が多数派とは言わないまでも、そもそもRSSリーダーなんて、その存在すら知らない人が圧倒的多数であって、つまり、ここに登録されることを狙って、何かをすることが、あまりこの連載の目的である「ネットで人気者になる」ことには繋がらないのではないかという話。

いや、お前そんなことに今更気付いたのかよという話なんだが、実はここから話は、少し面白くなる。スポナビトラックバックを飛ばすと、一時的なアクセスは増えることは散々書いている。が、それをやっても、このブログ自体の読者を増やすことには、あまり繋がらない(としか思えない)ということも散々書いている。はてなブックマークが少しくらい増えたって、アクセス数には、格段の影響を及ぼさない。投票型のブログ人気ランキングサイトは意味ないから最初からやってない。そうやって、これは意味ない、あれも意味ないなと切っていくと、結果として、何も残らなくてなってしまうのだ。

ここで、極端なポジティブシンキングをしてみる。

自分が「ネットで人気者になる」と宣言して、かなり恥かしいことを書き続けているのは(読んでいる方に、どう見えているかは知らんが、かなり自分の美意識に外れたことをしているという自覚がある)、自分は出たがりに見られることも多いが、それはネットにおける書き込みが大胆なだけで、決して、人並み外れて出たがりではない(並みに出たがりではあるかもだが)。

が、これからは、出たがる。と宣言しているわけだ。主に、得意なネットを使って。その出たがりぶりが、ウザくて、ただでさえ嫌われ者であるところが、さらに嫌われる可能性も高い。それでも、濃いファン(と言っていいような方々)を、より増やせば、色々なことが可能になることを確信しているから、やっているわけだ。そして、それをやるにあたって、今まで通り、濃い格闘技のファンだけに対象を絞っていたら、今までと同じくジリ貧になるだけなんだね。

例えば、スポナビといえば、巨大なアクセスを誇るスポーツニュースサイトなのであるわけだが、かと言って、あそこのトラックバックから、このブログに辿りつく人は、やはりある程度は濃くネットを見ている人である筈で。ただ一次情報が欲しいだけなら、トラックバックなんてたぐらない。RSSリーダーを駆使してブログを読むような人と、クラスタこそまったく違うものの、やはりある意味で濃い人達である筈で。

濃いと言っても、濃くなる対象がまるで違うという。スポナビトラックバックは、格闘技の一次情報とその反応に濃いというか、恐らくある程度濃い格闘技ファンであろうし、RSSリーダーを駆使する人は、ネットの使い方ということ自体に濃い。面白いのは、このふたつはまったく人が重なっていないこと。

格闘技の世界では、よく「ライトなファン」という言い方をする。自分が使っている「濃い」とか「コア」と真逆な意味で。「メジャーな大会は多少オチャラケなカードを組んでも、とにかくライトなファンを振り向かせないと」とか何とか。そういう使われ方で。

ここのコメント欄だったか、ツイッターだったかは忘れたが、自分はこう書いたことがある。「格闘技に関して『ライトなファン』である人が、すべてのジャンルにライトであるとは限らない」。つまり、自分は、可能な限り、多ジャンルに渡って濃いことを書いていこうとしている。それはマーケティングとして間違っているなどとは言ってはいけないマーケティングとは、過去データの集積であり、いつも歴史は既存のマーケティングを覆すことから作られるのである。大袈裟。続く。