電脳如是我聞の逆襲

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「iPad」でもフリック入力ソフトはすぐ出る(筈)

iPad」がソフトバンクで予約開始で、ツイッター上では結構賑わっているので「iPad」話。

どこで読んだかわすれたが、「iPhone」は指を離した時に反応するが、「iPad」は触れた時に反応するという記事だかレポートを見た。その時は「ふーんそんなもんか」と読み飛ばしてしまったものの、これは、そのアプリが、たまたまそういう処理をしているだけであって、「iPad」自体がそういうもんであるわけではなく、従って、現時点ではないらしい、フリック入力ソフトもすぐに出る筈という話を、技術者的視点から、技術者以外の人に向けて、可能な限り分かり易く書く。

GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス、つまり、Windowsとか、MAC OSとか、文字だけではないインターフェイスのこと。対置されるのは「CUI」で、昔のDOSとか、Xを起動しないむき出しのUNIXとか、文字のみを入力して動かすインターフェイス)上で、動いているアプリは、常にOSと、今画面上でユーザーがどういう動作を行ったのかを、対話しながら動いていく。

例えば、Windowsで、ある文字キーを押して、離したとする。その時、アプリ側は、「1)文字キーが押し下げられた」「2)文字キーが押された」「3)押し下げられた文字キーが上がった(指が離された)」という3つのメッセージをOSから受け取ることが可能だ。

1と2の違いは分かり難いとは思うが、これ英語にすると、少し理解しやすくなる。「1)文字キーが押し下げられた」は「Key Down」であり、「2)文字キーが押された」は「Key Press」、「3)押し下げられた文字キーが上がった(指が離された)」は「Key Up」だ。

iPhone OS」のプログラミングをしたことはないので、正確なことは知らないが、間違いなく、1と3は存在する。存在しなければ、フリック入力など出来ないからだ。

つまり「iPhone」のフリック入力では、1のタイミング(をアプリの側からしてイベントという)で、その場所をまず記憶、例えば「あ」の上であればそれを記憶(そういうフラグを立てる)、続いて、3のイベント発生で、指が離された場所を判定、それが1で記憶した位置から、左にずれていれば「い」、上にずれていれば「う」、右なら「え」、下なら「お」、ずれていないなら「あ」であると、決定する。

以上からして、「iPad」のOSは、「iPhone OS」そのものか、微妙に上位互換のOSであることからして、3のイベントを判定出来ないなんてことはないので、フリック入力アプリは原理的に可能であるわけだ。間違いなく、直に出ると思う。作る気さえあれば、当然、親指シフト用ソフトキーボードアプリなんてのも可能だ。

勿論、その必要があるかは別の話で、例えば、厳密な意味での、タッチタイプが物理的に不可能(だってホームポジションを表すポッチがないんだもの)である以上、へたしたら、両手打ちでも、フリック入力の方が早い可能性もあるわけで、その意味からしても、フリック入力のソフトは、すぐに出ると思う。

と考えていくと、左手用と右手用のフリック入力ボードを表示して、史上最速のソフトキーボードが開発されるなんてことも、当然将来的にあり得る。現状のフリック入力に加えて、シフトキー相当を3つ作れば、その組み合わせで、濁点・半濁点・拗音・促音も、ワンタッチ入力が可能だ。

あっ、半濁点と拗音/促音は、被らないから2つで可能だわ、濁点キーと半濁点/拗音/促音キー。勿論、この場合は、両手打ちか、机か膝に置いてマシンが固定されていることが前提となるが。

以上、アイディア利用自由なので、誰か作って。もう誰かが作り始めている可能性も高いが。