電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

ビジネスマンになりたいと思ったことがない

ヒョードルだって負けることもあるんだから、格闘技の世界は、何が起こるか、分からない。いやいや、そもそもが、世の中何が起こるか分からないのが当たり前なんだという話。

大阪からの帰りの新幹線の中で、iPhoneアプリになっている、ホリエモンこと、堀江貴文の処女小説「拝金」(徳間書店)を読んでみた。青空文庫以外の、いわゆる電子書籍を、カネを払って購入したのはマンガ以外では初めて。

ホリエモンの身に起きた事を、大胆に小説化してて、当初はホリエモンの分身に思える登場人物が、実はそうではないという辺りに、そこそこフィクショナルな仕掛けもあって、充分楽しめるんだが、かと言って、ゴーストを使っているのかどうかが気にならない程度の出来というか、つまり、フィクションとしての出来や小説家としての才能を絶賛したくなるレベルにはない。

それでも、この小説で語られるカネ儲けは、どうしたって現実のホリエモンを思い出してしまうようなツクリになっていて、つまり、説得力はある。

ひょっとしたら、おれだって、金儲け出来るんじゃないか。

実は、生れてこの方、カネ儲けを、本気でしたいと思った事がない。カネへの執着がほぼないという、自分のメンタリティは、潔さ、つまり長所として、理解されることの方が多かった。が、ここ何年かは、男はやっぱりカネ儲けてナンボ的価値観に、負けを認めざるを得ない状況も多くあり。

本気で、カネ儲けしてみるか。この小説には、いい歳した自分に、そんな事を熱く思わせるだけの力はある。