電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

嫉妬し憎んで駆け上がれ

いよいよ明後日の28日に迫ったヴァルキリー08の会場で、また売らせて頂く予定の「鉄風」(講談社)。3巻が出たのに何も書いていなかった。まあ、モデルがかなり特定出来るマンガであることもあり、コメントがし難くなりつつあるというのも若干なくもない。

けれど、面白いんだよねえ。ナッちゃん燃え(萌えではない)というか。

女子総合うんぬん、格闘技うんぬんより、このマンガ、石堂夏央という主人公を好きになれるかどうかが全てではないか。自分は凄く好きなんである、この子の性格の歪み方が。分かると言っていい。何というかな、それこそキャンディ・キャンディ(いきなり超古い例で申し訳ないが、いわばステロタイプという意味で)みたいな、泣き虫だけど明るくて前向きでキラキラ生きていて、だからこそ、ちょっとしたことで落ち込んだりして、そこからの立ち直りが物語りの重要な要素になるのが、女性を主人公にした場合の物語の本道だとしたら、徹底的にその逆のパターン。一般的にいえば、性格の悪い子なんだな。

この子は外をちゃんと見ているんである。外との比較によって自分自身を理解していくんである。勿論、徹底的に我が侭なわけだが、通常、我が侭な子は、外を見ていない。自分しか見ていないから我が侭になる。性格設定として我が侭にするなら、そうした方がやり易いというのもあり。が、夏央はそうじゃない。よおく外を観察して、自分の能力も冷静に判断して、そして残酷な結論をくだす。そこが面白い。

3巻の裏表紙にあるコピーの科白は「頑張ってあの子の笑顔を潰してあげよう」。

普通に言わせたら、ただのイジワルでしかないこういう科白が、不自然なく言える女子高生なんて、そんなにいない。勿論、そこはマンガである故。だけど、いい子だわ(本気)。こんな子がキャバクラにいたら、オジさん通ってしまうな。あっ、高校生はキャバクラで働いてはいけませんよ。