電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

つまらない大人になりたくないと言う子供に限ってつまらない子供である件

このブログになってからは、この映画の事は書いてなかったか。というわけで、「スミス都へ行く」を観た。もう何回目だろう。少なく目に見積もっても、十回は観てる(多分、もっと)。

自分は大学で16単位しか取らずに中退したので、要は大学で何も学んでないんだが、その少しだけ通った大学は、何故か一年の頃からゼミのような授業があって、そこでこの映画を指導教授に見せられたのが、この映画との出会い。まだビデオデッキすら金持ちの家にしかなかった、若い多感な時期にこの映画を観た事は、自分の人生にとって、結構大きな財産となっているような気がする。だから、若い人にこそ観てもらいたいと思う。このブログはオジさんしか読んでないという説が強いが、少しは若者もいるだろう、良い子は、DVD、500円だからすぐに買いなさい。

田舎者の若者が、間違って上院議員になってしまい、まあモロモロあって、偉くて汚い大人達と対決するという都会のファンタジー。

その田舎者の新米政治家はジェームス・スチュワート、最初は彼のあまりの田舎者ぶりに嫌気が差しながらも、やがて彼を助けて悪との対決を仕掛ける美人秘書に、ジーン・アーサー。このジーン・アーサーがいいんだよねえ。ミカサ・アッカーマン型体型なのにエロくて。いやいや、それは本筋とは関係ない。

なるべくネタバレにならないように書けば、話は、主人公のがんばりに、汚い敵役の一人が良心と対峙し、やがて改心する事で、幕を閉じる。ああよかったね、アメリカ建国の精神は守られましたと。そして自分は毎回感動して涙を流す。強く生きなきゃいけないんだと。

だけど、この映画を、いわゆる権力者に見せたら、どうなるだろう。改心する大物敵役を見て、甘いねとか子供だねとか言いそう。それじゃあ、権力は維持出来ない、うむ。

現実はこの映画のようにシンプルには成り立ってないし、権力の闇はどこの世界だって深く暗い。今回の原発関連の話題でも、福島周辺の政治の話(特に前知事の汚職の件やら何やら)を、ネットで掘っていると、絶望的な気分になるような話題がザクザク出てくる。人はいつも目先の利益に飛びつき、政治家はそれを利用する。それが当たり前の現実。

けれども、この映画を観て、勇気を振り絞る事を誓う人間が現われる可能性だってゼロではない。それがファンタジーの力。