電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

メリークリスマス、そして良いお年を

そうこうしているうちに、今年も終わってしまうわけだが、今年も実に静かな一年を送ってしまった。最近、まるでもうすぐ死んでしまうかのように、昔のことをよく思い出す。あの頃の自分は五十を過ぎた自分が、家に閉じこもり、仕事もそこそこに、英語を勉強したり映画を研究したりテレビでスーパー主婦を見てそれはそうじゃねえよと一人ごちたりしているだなんて、まるで想像もつかなかった。

このまま、まるで波乱万丈の人生を送った兵が余生を終えるかのように静かに朽ち果てていくつもりなのかと言えば、そんな気持ちはさらさらなく、そもそも波乱万丈の人生なんて未だ送ってなく、それでも、再び胸を熱く焦がすような思いを抱いて、華々しく歴史の表舞台に躍り出るつもり(って何だそりゃ)はあるのだが、つもりはあっても、そのつもりを妨げる様々な困難も眼前に広がっていて、その辺り、何がどうなるのかは自分にも皆目見当がつかない。

少なくとも、もし明日クルマにポーンと跳ねられて死んでしまってもいいように、やり残したこと、やろうと思って出来ていないこと、出来るんじゃないかと思いながらも届いてないことを、こつこつとこつこつと片付けていこうと思っていることに変わりなく、何でそんなことを考えてしまうのかといえば、自分は幸か不幸か、食わせなくてはいけない家族を持つという、人として至極当たり前の責任を負うことをここまで怠ってしまった為、外部から圧倒的に迫られる義務感による生と成功へのモチベーションを持ち得なかったというのが、やはり大きいように思う。

結局この歳になっても、高校生の頃に考えていたことを未だに考えている。たった自分ひとりの為にだけ、もう少し生きてみようと思っている。そうして、やがて、僕が何かを呟くと世界はその瞬間凍りつく。

メリークリスマス、そして良いお年を。