電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

良いプロモーターは破産してしまうのか?

このプロモーター話の連載のタイトル、決めました。「プロモーターはみんな飛ぶ」。うーん深いね(と自分一人でご満悦)。

カール・ゴッチの名言「プロモーターには2種類ある。悪いプロモーターと……凄く悪いプロモーターだ」に対して、自分は「それは違う、プロモーターには3種類ある。悪いプロモーターと凄く悪いプロモーターと、破産したプロモーターだ」と書いたことがあるのだけれど、これはつまり良いプロモーターは破産したプロモーターだという意味を乗せているわけだ。

ところで、プロモーターとプロデューサーという言葉はイコールではないが、例えば比較材料として、映画などを考える場合、格闘技興行のプロモーターの位置付け・役割は、映画におけるプロデューサーという役割に近い。

ネットの時代になって、色々なことが簡単に調べられるようになると、過去数多の名作を世に送り出した映画のプロデューサーが音信不通になっていたり、少なくとも世間には浮上していないケースというのが、物凄く多いことがわかる。そういう人間のうち、どれだけが破産しているのかといえば、そこまではよくわからないんだが、要は、映画も含めて興行の世界、コケる時は大コケして痛手を負うケースはどこにもあるということだ。

自分はスマックガールに関わった結果、破産したわけではない。自分が社長を務めるキルゴアという会社も破産させてないし、個人も破産したわけではない。が、このまま行くと、それしかないだろうなというところまで行ったことも確かで。だからこそ、ヴァルキリーを始めるに当たって最初に考えたことは「続く仕組みを作る」ということだった。

が、果たして、と今考えてみる。スマックガールは、運営の主体が時期によって変わっているんだが、それでも、トータル8年も続いたわけだ。名前はジュエルスと変わったが、現在もまだその後継は続いているし、自分も別組織であるヴァルキリーという運営主体に、こうして今も関わっている。

他に8年も続いた女子総合の大会は、世界でスマックしか存在せず、内部的にはどんなに酷い状況であれ、結果8年続いたことは、誰が何と言おうと事実なのであり、つまり8年続く仕組みはそこにあったじゃないかという話なのである。

その8年間、色々な方法で何人かの人間が自転車操業を行い、ようやく何とか続いたわけで、それを「続く仕組み」と言えるのかといえば、内部にいた人間にしてみれば、そんなわけねーだろとしか言い様がないんだが、残された事実だけを考えれば、また見え方が違う筈で。つまり、興行なんてものは、本質的に場当たり的なモノであり、続く仕組みなんてものを発想すること自体が間違っているのだという考え方がの方が、常識であるということだ。

と、ここまで考えていくと、良いプロモーターに限らず、すべてのプロモーターはある程度の時間が経過すれば、それは必然的に破産するのだということを前提として、「続く仕組み」は考えられるべきなのではないか。

もう少し具体的な話にシフトしていきながら、まだまだ続く。