電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

ポール・ニューマンになれなかったよ

ケージの組み立ての話だとか、肝心の試合の話だとか、ヴァルキリー以外の話を書こうと思っていたのだけど、ちょっとその前に、割り込みで。

ポール・ニューマンが死んでしまった。歳も歳だし、元々、人の死にはあまり動揺しない人間なので、ショックとか悲しいとか、そういう感情はないのだけど、映画少年だった中学生の頃から大好きな俳優だったのだ。

自分は、例えば、長州と藤波だったら、藤波ファンであって、つまり、男臭いタイプより、典型的な二枚目タイプの方が好きだった。ガキの頃、最初に好きになった俳優といえば、繰返しテレビで放送されていたマカロニ・ウエスタンのトップスター、ジュリアーノ・ジェンマであり、同じマカロニ・ウエスタンでも、クリント・イーストウッドや、フランコ・ネロではなかったのだ。「スクリーン」とか「ロードショー」とかの映画雑誌を買うようになって、グラビアを見て好きになったが、ロバート・レッドフォードポール・ニューマンアラン・ドロンだった。しかし、あの頃の映画雑誌は、不毛に分厚かったね。

ポール・ニューマンロバート・レッドフォードが共演した「明日に向って撃て!」が、リバイバル上映(という概念が当時はあったのだね、さすがに封切りの時は小学生低学年だ)されたのは75年で、自分は中学校1年生。1人で銀座に出て、ニュートーキョーのシネマ1で見た記憶がある。今マリオンがあるトイメンあたり。見終わった後、感動のあまり、しばらく席を立てなくなってしまい、そうして、この映画を見なければ、自分は、こういう人間にはなっていなかっただろうと言える、数少ない作品となった。

未だに、映画のベストフェイバリットを1本と言えば、この作品をあげる。監督を1人をあげろと言われれば、この映画のジョージ・ロイ・ヒルをあげる。この3人のトリオのもう一本の映画「スティング」も超傑作。

明日に向って撃て!」は西部劇だし、「スティング」は1930年代を舞台にしたギャング映画だ。そして、ともに活劇。が、それより何より、とにかく、シャレにシャレた青春モノなんだね。そこがいいんだ。センスという言葉の意味を、自分は、この2本の映画から学んだような気がする。

若い多感な時期にこそ、見て欲しい。

 

 

ちなみに、ダスティン・ホフマンはあまり好きじゃないし、大塚博堂は「哀しみ通せんぼ」の方が好きだ。なんてこと書いても、おっちゃんしか、わかりません。