電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

長谷部の「Jリーグにも足を運んで」発言に思う

サッカー・パラグアイ戦、長谷部主将の「Jリーグにも足を運んでください」発言が、ずっと頭に残っていて、加えて、この発言への反応も色々と興味深い。8年前だかに、今回は色々なところでやたら評判悪い、旅人こと中田英寿も似た発言をしていたというのも、指摘されていて、そうだったかと思い出す。あの時は、自分はどう感じたんだろう。

頂点をより高くする為には、底辺が広がる必要がある。だから、Jリーグが盛り上がることも必要だし、それ以上にJ2やらそのもっと下が盛り上がることが必要。これは正論である以上に、既に事実の範疇であり、こういうことすらわからない(というか興味がない)、いわゆるニワカなファンにとっては、サッカーとは、ワールドカップという4年一度のイベントであり、極論すればそれ以外はどうでもいいわけだ。

そういうファンに、Jリーグも観てねと言っても、最早、不毛に近い感じがするのだ。ワールドカップとJリーグは、同じサッカーであっても違うモノ。そんな気がする。勿論、そういうニワカなファンを悪いと言っているのではない。そういうファンにまで見せきってしまうからこそ、ワールドカップはワールドカップなのだ。

何でこんなことを考え始めてしまうのかといえば、これはもう格闘技の現場で肌で感じているモノだ。メジャー以外は格闘技じゃないくらいの感覚は、そこここにあって、特にライトなファンにそれは強く、ツイッターの隆盛により、自分はそれを、以前より強く実感するに至った。自分でブログを作ってまで、格闘技を語ろうとするマニアは、仮に最初はわかっていなくとも、次第に、メジャー以外にも格闘技というモノが存在することを学ぶ。そして、それが底辺と頂点の関係を緩やかに形成していることを知る。今現在の話題で言えば、メジャーが完全に地盤沈下していることで、本来なら、パンクラスやDEEPやケージフォースで組まれるべきカードを、メジャーが持っていってしまっている現状をも知る。が、ツイッターで「たまに格闘技についても呟く」のファンの方々だと、そういう認識には、まず至らない。

長谷部の発言に戻ろうか。一番悪い意味で唸ってしまったのは「Jリーグ関係者はもっとがんばって欲しいですね」的な意見が結構多かったこと。自分には、まさにポカーンとするしかなく。充分かんばっているではないか。バレーボールやバスケットボールが届いているのかいないのか微妙なところにいる「プロスポーツ」という括りに、この数十年で到達し、それを維持しているのは、Jリーグだけではないか。勿論、濃いファン・マニアからすれば、その方針・運営に「あれがダメこれがダメ」はあるだろう。それにしたって、やはりここ数十年で「プロスポーツ」に到達し、が、そこから転落寸前である格闘技というジャンルの底辺に関わっている人間として、ああサッカー関係者はがんばっているなあと、素直にそう思う。

では、どうしたらいいのか。サッカー関係者は。格闘技関係者は。そして、ファンは。

ファンに義務はない。何を言ってもいい。けれど、サポーターは12人目のプレーヤーという言い方は、日本のサッカーをここまで押し上げた、大きな要因であることは間違いないと思う。