電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

やるならやるでちゃんとやれ

最近はツイッターでほとんど感想書いてしまい、特にブログに書く気にもなれないのだけど、NHK大河「平清盛」があまりに酷いので簡単に。ツイッター上の感想はこちら

低視聴率に喘いでいるが、これ何と言っても、マツケン演じる清盛が大物感なく、ちっとも成長せず、いつまでたってもただの粗野な奴で、まったく魅力的でないのが一番の問題だとは思うんだが、先週(3/31放送回)で、ようやく少し成長をみせ、初めてというくらいに「面白い」と思える回だったので、今週には期待していたんだが、まさかのBL的展開をみせた。

別に、衆道を描く事が悪いと言っているのではない。天下のNHK様でそれをやるなら、ほほう、がんばれと言いたくなるくらいで。

が、あまりに安易、あまりにチープ、あまりに唐突。山本耕史がそこそこいい感じで演じていた藤原頼長が、性欲抑え切れず襲いかかって、安手のホモ野郎になっちまった。権力側の悪い奴が、ひっひっひっ手篭めにしちゃうぞ的な展開は定番といえば定番だが、それはもう安っぽさと引き換えになされるしかなく(これを悪代官化という)、徹底的に冷酷な悪役として描くならまだしも、それがやり難い大河では、ただ威厳がガラガラと音を立てて失墜するだけだ。

やられちゃう側の大東駿介演じる、清盛の弟がまた安い。男はあんな動機で人を裏切らない。いやまあ裏切る奴もいるかもしれないが、説得力がなさ過ぎる。ママー、ボクはママの笑顔が見たいんですアーッって、どんだけチンケなマザコンなんだ。

とにかく肝心の清盛の兄弟対決、源平対決が、あまりに安易でドラマとして成立してない。

かねてから昼メロ的というのは指摘していた。かつての昼メロの女王・横山めぐみがチラ出演しているあたりが象徴的で、つまりは作る側もそれを意識しているのかもしれない(と何回も指摘している)。なら、もっとちゃんとやれ。もっと徹底して馬鹿やってキッチュ(死語)にしなきゃ、あの頃の昼メロの味わいは出ない。清盛と玉木宏の義朝と松田翔太の後白河が禁断の三角関係、挙句の痴情のもつれで、嫉妬した深田恭子の清盛妻と、田中麗奈の義朝妻が怒り狂って2・3人ぶっ殺して、世界が動くくらいの事をでっち上げてくれないと納得せんぞ(と勢いで書いたら何だかこれ面白そうだ)。

と、長年の大河ファンで、大河に対しては如何に酷くとも救いのない書き方はしない、しかも離れない自分のようなファンが、ここまで罵倒するのは珍しい。放送料返せと言いたいとこだが、「カーネーション」があまりに素晴らしく、十分オツリが来てるので、もう少し払ってもいい……とまでは言わないけどね。