電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

趣味は映画いじり、その後

今頃になってというか、今更というか、ようやくフルハイビジョン/HD画質に対応したモニターを買った。アナログのSD画質で録画した映画が大量にあるし、自分なりのノウハウを積み上げたその録画環境は、既に生活に密着していて、変えるのはそれなりに面倒だし、何より今以上に高画質なものをさほど必要としていないというのがここまで遅くなった一番の原因。周辺のことは「趣味は映画いじり」に書いた。

ところか、買うんだったらこのレベルかなあと思っていたものの値段をたまたまネットでチェックしたら、予想以上に安く、この位の値段なら買ってもいいかなあと、貧しい生活をさらに切り詰めること数ヶ月、ようやく購入するに至ったのであった。ちなみに、モニターと書いてはいるが、自分が使う以上、当然のことながらパソコンであり、具体的にいえば「VAIO Type-L」だ。

実はデスクトップマシンはこれで3台続けてソニー。仕事にはあまり使わず遊びのマシンなので(と言いつつ、どこまで仕事でどこから遊びなのか微妙なことも随分あったのだが)、録画モニターかつエンコードマシンというニュアンスが強く、VAIOはソフトが練れていて用途にあっているんだね(今回のは随分と違っていたんだが)。

今までは「趣味は映画いじり」で書いた通り、J:COMのチューナーから、4:3のマシンにアナログで入れて録画していた(のでチューナーの設定は4:3にしてあった。16:9の映像は上下に余黒(?)が入る)。新マシンにはデジタルで入れることが可能になったわけだが、そうすると録画が出来ないんだね(地デジは出来るけど)。HDMIで入れると、この新マシンはパソコンではなく、単なるモニターとしての機能しか果たさないようなツクリになっていて(外部入力はアナログも同じ扱い)。アナログの外付けエンコード専用ユニット(1万しない)も新規に買い足したので、これを使えば録画することは可能なんだが、どうも以前のマシンに比べると使い勝手がよくない。

数日試行錯誤して、結局録画は以前のマシンにアナログで入れ、リアルタイムで観る場合は新マシンにHDMIで入れる。その切り替えが簡単に出来るように色々いじり倒した。ところが問題がひとつ発生。何も設定を変えなくとも、16:9の新マシンだけでなく、4:3の旧マシンにも、チューナーが自ら16:9で送り出すように勝手にリセットしてしまう。そうすると旧マシンは4:3でしか映らないから、16:9である映像は横に潰れる。録画したファイルを直に覗いてみても、やはり上下に余黒(?)が入らず、横に潰れた映像になっている。どうやら、HDMIを新マシンに繋ぐタイミングでチューナーが自動的に送り出しの設定を16:9にリセットしてしまうようだ。これは色々と面倒くさい。新マシンで観る場合はいいんだが、旧マシンで録画するのには一旦新マシンへのHDMI接続を切ってから、いちいちチューナーの設定を4:3に戻さなくてはならない。

が、結果としてはこれが棚からボタ餅だった。この横に潰れた4:3のアスペクト比を持つ録画ファイルを、CMカットして、但し可能な限りエンコードに時間がかからないように保存用のHDDに書き出す時に、唯一、16:9に戻るような設定を加えてエンコードをしてみると、縦横比を変えるという処理を追加で行っているにも関わらず、今までとほとんど変わらない時間でエンコードが出来たのだ。「趣味は映画いじり」で書いた時間と手間がかからず、上下の余黒(?)はちゃんとカットした(というか元々存在しない)、正しい縦横比の録画ファイルが残せるというわけだ。

なるほど、画面縦横比や、1ピクセルのあたりの縦横比(正方形と10:9が存在する)は、多分情報としてどこかにひとつだけ押さえるだけで、個々の画像記録そのものには影響を与えないのだな。だからエンコードにかかる時間は今までと変わらないということなんだろう。

出来上がった上下に余黒(?)が存在しないSD画質の映像を、新マシンで観てみると悪くない。勿論、HD画質のものに比較すれば、かなり眠たい画質であるのは確かだが、極論すればSD画質のDVDを見るのと同じレベルであり、充分鑑賞に堪えるというか。こうして、おれの映画収集という趣味は時代遅れのSD画質のファイルを大量に抱え、さらに増やしていく状態ながらも、数少ない趣味として続行されるのであった。