電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

「実名」について

昨日のエントリー「グーグル、地獄に堕ちろ」で、『通名(つまり実名)』と書いたら、それはおかしいのではとツイッターで指摘を頂いた。

その指摘はよくわかる。つまり、「実名」とはニアイコール「本名」であり、「通名」とは対義語だろうという指摘で、勿論その通りだ。けれど、違う意味もあるんである。例えば、「小学館類語例解辞典」にはこうある。

本名[ほんみょう]/実名[じつめい]
(中略)
【それぞれの意味と使い分け】
(1)「本名」は、芸名、偽名など、別の名前で呼ばれることもある場合に、それらに対して使う。
(2)「実名」は、あえて名前は隠さない、という意味合いをこめて使われることがある。

上記の『通名(つまり実名)』は「実名」という言葉を、後者の意味で使っている。これ、ネットの匿名性の問題について、匿名と対置する意味だ(自分以外にもその意味で「実名」を使っている文脈は結構みる)。

ネット全盛の現代において、既に、匿名と非匿名(この「非匿名」が自分が使う「実名」とニアイコール)の二元論では語れないという事を、自分は何回も書いてきた。例えば、ハンドル名でブログをやっている人間が、自己同一性を保持したまま、そのハンドル名が浸透してくれば、そこには実名性(非匿名性)が発生し、匿名性は低くなっていくというように、最早、匿名・実名の二元論では説明できず、「性」をつけて、程度で語る問題となっているという事。

匿名問題は、ネットで語られ続ける問題であるが、どうしたって声が大きくなるのは、著名人、つまり、非匿名の側であって、最初から実名でネットで書いている著名人は、どう匿名問題を書いても隔靴掻痒の感が残る。やっぱさ、匿名論に限らず、ネットで実際に遊んでない奴のネット論なんて、散々遊び尽くした人間には物足りない。

自分の場合、所詮ハンドルであるメモ8で書き始めて、サイバー格闘技界で(苦笑)、揉め事ばかり起こして多少は名前が売れて(さらに苦笑)、リアルでも「長尾」と呼ばれるより「メモ8」と呼ばれる事の方が遥かに多くなっても(戸籍名・本名の「丈志」なんて呼ばれる事はリアルではまずない)、未だ、長尾メモ8という名前は世間的にはまったく無名であり、かと言って、無名である事と長尾メモ8が「実名」である事は、まったく矛盾していないというのが、当たり前の今のネット(但し日本の)状況なわけだ。グーグルとかザッカーバーグはいい加減、ここを理解すべき。いやそれ以前に、その辺の文化人が、まずね。