電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

あのハゲの名は、ダナ・ホワイト

いよいよ日曜日に迫ったUFC144日本大会関連で、頭が悪くて、しかもその自覚のない格闘技専門マスコミが、相変らず馬鹿な事を言っている。少し前に、紙プロ系の連中を中心に延々ネットで話題にされていた、ガイジンの名前の表記ゆれの問題だ。そもそもが、あのUFCのハゲ、ダナ・ホワイト(Dana White)を、とっくにダナで定着していたものを、デイナ・ホワイトだろと言い出した奴がいて、勝手にそう表記し始めた連中がいただけでなく、今や日本におけるUFCの広報活動の中心を担うWOWOWが、デイナを押し通そうとし始めた事が問題の発端。

ダナの場合は、単純に発音の話で言えば、デイナという口構えでダナと発音すれば概ね正しく、その程度の問題であって、結論から言えばどっちでもいい。いいんだが、しかし、という話。

ツイッターではかなり前にこの問題散々書いたんだが、どうせ誰も読んでないし、今後繰返し書くのも面倒なので、これ読めと言えるようにちゃんとまとめておこう。

今回、デブの橋本宗洋は、記者会見でダナ・ホワイト本人に「ダナとデイナ、どっちがいいですか?」と確認したらしく、かつ、それを得意げにネットで自慢するなど、知的レベルの低さを満天下に晒している。恥かしいったらありゃしない。

ガイジンの名前のカタカナ表記の問題、まず大前提となるのは、カタカナで綴るという事は、日本語読みを作る事。ここが凄く重要。発音を忠実に日本語表記する事は元々不可能。これはどこの国においてもそうであって、結果として、固有名詞をどう綴るかという問題は、その国の言語文化の問題となる。格闘技マスコミの場合、この意識が欠けてる奴ばかりで、まずはその教養の無さにがっかりしてしまう。

つまり、Dana Whiteをどう綴るか(ひいてはどう日本語読みするか)は、Dana White本人が決めるんではなく、日本の言語文化が決めるんである。ここを理解してないから、日本の言語文化なんて知るわけもない本人に質問するなんて馬鹿が現れるわけだ。ピーター・バラカンの爪の垢でも煎じて飲めというか(ピーター・バラカンは自分の名前を日本語読みするが、デイブ・スペクターはしない。デイブ嫌い)。

これを大前提として、さらに問題を大別すれば、どういう方針でそれを綴るのか、かつ今までどう綴られてきたのかという問題と、誰がそれを決めるのかという問題がある。

まずは、どういう方針でそれを綴るのか、かつ今までどう綴られてきたのか。基本は対象の人間の国籍なり活動範囲なりから、まず国を判断し、何語の発音に準じるのかということを決める。UFCの場合、各国の選手が参加していて、これはつまり他のメジャースポーツもそうであって、概ね選手の母国発音で表記する傾向が強い。勿論、主催はアメリカなんだから、すべて英語発音でいくべきという考えはあっていいが、少なくともそれは今までの多くの慣例に馴染まない。この件、格闘技関連では(多分サッカーもそうだと思うが)、ブラジル人の表記がゆれるケースが多い。ポルトガル語発音と英語発音で。ここは難しいところで、かなり混乱が見られる。

決める際に慣例は重要。その綴りならこう綴るという慣例を、あまり外さない事。例えば、マイケル・ジャクソンマイケル・ジャクソンなんであって、発音はマイコーだろとか言い出して、同じ綴り同じ国の違うマイケルさんを、今回はマイコーさんにしちゃおうぜとかは、やってはいけないのだ。マイケル・マクドナルドなら、発音を優先すれば、マイコー・マクダーナウくらいだろうが、その英字綴りなら、マイケル・マクドナルドにしましょうという事。

この意味では、ダナ・ホワイトは、英語発音自体がその「Dana」という綴りに対して特殊である事を本人が主張しているわけでもないから(そういうケースは稀にあるし、その場合の問題はまた別)、もう慣例としてダナ・ホワイトでいいのだ。歴史を優先すべきなんである。何故そんなもん優先する必要があるんだとか言い出す奴がいるなら、それは長い議論を必要とするので、また今度ね。リクエストは受ける。

続いて、誰がそれを決めるのかという問題。例えば映画俳優であれば映画配給会社、ミュージシャンであればレコード会社が決めてきたわけだ。つまり商品としてそれをカタカナ表記するにあたって、初めて決定するわけである。格闘技だったら、最初にその選手を呼んだ団体が決める。それまでに既にマスコミで扱われる事があって表記が揺れていても、そこからはマスコミもそれに従うのが慣例。

ところが、その綴りはおかしい、発音と違うとか言い出す奴が必ずいて、それは個人の文責でやるなら、勝手にやればいいのだ、今野雄二デビッド・ボウイをバウイー(だっけ?)と書き続けたように(為参考で書いておけば、デビッドだったら、昔はデビッドがほとんどだった筈だが、今やデヴィットやデイヴィット表記の方が多くなっているように、必ずしも当初決めたられた綴りが絶対的であるわけではない)。

格闘技専門マスコミの場合、個人とメディアの文責の境がはっきりしない場合が多く、例えば高島学の「MMA PLANET」は、延々おかしな綴りを垂れ流し続けているわけだが、高島学が自分の文責と記名で書くなら、それは何と書こうと構わない(勿論、載せるメディア側がウチの基準に従えと脅すのもありだ)。あまりにおかしな事をやれば、あいつ馬鹿だよねえと言われるだけで。しかし、あれは高島の個人メディアなのかね? まあ、あんな木っ端ブログをマスメディア扱いしてもしょうがないとも思うんだが、ゴン格あたりでも、ここが微妙で、押しの強い高島の性格が綴りにまで反映してしまっているケースが多いように見受けられる。松山、もう少しがんばれ。貴方は高島と違って文化とか理解出来る子の筈だ。

UFCの場合、日本ネイティブの広報がないに等しいから、現在そこをWOWOWが担うのはある意味当然なんだが、はっきり言って全然しっかりしていない。上で決めてる人がダメなのか、方針がダメなのか、やはり我を張り過ぎている。わざわざ番組で高柳さんに「こう表記されるケースもありますが、我々はこれで行きたいと思います」と説明させるくらいなら、我々が決めますと断言する強さはあっていいんだが、かと言って、その強さは柔軟な訂正と並存すべきで、稲垣さんが知恵を出しているのか、高島学あたりも少しは噛んでいるのか(高島がやりそうなノリが多いからそう感じる)、やや意味不明な表記や頑なさが感じられる。WOWOWUFCには、ジョー小泉が足りない(説得力不足を説明するおれ的表現)。

格闘技専門マスコミの場合、メディアの文責と個人の文責がごっちゃにされている事と、意味不明に我を張って協調性がない馬鹿が多い事が、最大の問題。勿論、一番酷いのは高島学であるのは言うまでもない。

具体論をもう少し説明したいのだが、長くなったので、続きは夜にでも。

【後記】続きは「続・あのハゲの名は、ダナ・ホワイト」