電脳如是我聞の逆襲

他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ

改行と折り返しの違い

数日後といいながら、数週間経ってしまうのが、メモ8ブログ時間。ううう。というわけで、日本語の書き方についてである。連載である。前回はこちら

今回は予告した「改行」の話。

商用サイトでは(とは何かという問題は別として)
そんなにないけれど
こういう書き方をするブログは多い。
つまり折り返し位置を自分で決める書き方。
句点の代わりに折り返すパターンが多いような。

それが必ずしも悪いと言っているんではないんだが、ちょっとどうなのと思うことが多い。高島学は「MMA PLANET」では折り返し位置未指定でベタに流し込むのに、ファイト&ライフの連載だとこういう書き方をする。ひょっとして、これが詩的であるとか思っているんではないか。

あたし彼女
さすがに古いだろ
みたいな

いや、別にそれはそれで効果が上がる場合もあるんだが、自分はそういう書き方はしない。上記の書き方だと、サイトの設定と読む側の環境次第では、

商用サイトでは(と
は何かという問題は
別として)
そんなにないけれど
こういう書き方をす
るブログは多い。
つまり折り返し位置
を自分で決める書き
方。
句点の代わりに折り
返すパターンが多い
ような。

と表示されてる可能性だってありますよ、ということ。なので、折り返し位置は、自分で指定せずにそのサイトの設定とブラウザに任せたと方がいいと思うな(勿論、そのリスクを理解した上で、折り返し位置を指定するなら、それはそれでいいとは思うが)。

勿論サイトの設定に任せた場合、デカいディスプレイで全画面表示などすると、だらーっと横に広がってしまって読みにくいなんてケースもありえる。このブログであれば、自分が見せたいように設定出来るので、あまり横に広がらないように、わざわざピクセルで指定している。勿論、携帯やiPhone用に変換されてしまえば、PC表示用の設定などは無視されてしまうんだが。

そうそう、本題からは外れてしまうが、携帯用に変換する時、はてなは、全角カタカナを半角カタカナに強制的に変換する。昔より携帯の通信速度だって早くなっているんだし、いい加減、やめて欲しい。やめて欲しい。やめて欲しい(こういう携帯サイト結構多い)。全角半角も芸のうちなんだよ。勝手な言葉を作ってしまう若者より、こういうことをやるシステム屋が、日本語を破壊している。その自覚だけは持つようにね。

一般的に、ブログの場合は、3カラム(両側にサイドにバーがついてるタイプ)だと、内容表示欄の横広がりにストッパーがかかっているが、2カラム(どっちかにしかサイドバーがない)だと、横に広がってしまうことが多い。自分は2カラムが好みなんだけど、だらーっと広がってしまうのはイヤなので、わざわざストッパーを設定しているという。

さて、この項では「折り返し」とわざわざ書いてきたが、大体の場合、この意味では「改行」と表現される場合が多い。自分もそれが当たり前だと思っていた。が、出版業界的には、改行というのは改段落のことであり、いわゆる「改行」のことは「折り返し」というのだということを、ニフティ(PC通信だね)の頃に、某出版社の超濃い格闘技マニア(であるが女子には冷たい笑)の方から教わった。

しかし、HTMLでBRタグは「改行タグ」、シフトJISのコード体系でCRLFは「改行コード」という。「折り返しタグ」「折り返しコード」とは言わない。これは物理的に行を改めてしまうことを「改行」と言っているのであって、つまり、システムの側から言っている言葉なんだな。詩などの韻文を例外とすると、日本語にとっての改行とは改段落なんである。そして、折り返しはシステムの側(この場合、かなり広い意味で)が決めるというのが、紙の文化・決め事だったわけだ。書き手にとっては、そのシステムとは常に1行20文字であったわけで。

一方、狭義のシステム的な話をすれば、ワードのようなワープロソフトでは大体は「改行コード」は目で見せてくれている筈なのに(自分は秀丸エディタで改行コードやタブコードは見えるように設定した上で文章を書く)、それに無頓着な編集者が結構いることを予想する。例えば、今のご時世、原稿の発注の仕方は、昔の400字(あるいは200字)の原稿用紙で何枚というカタチではなく、17文字180行とか、そういうカタチで出されることが多い(筈だ)。例えば、これで書いてくださいと、きっちり設定を作ったワードの空ファイルを渡したとしても(なんてことをするところは、まずないと思うけど)、その設定の禁則ルールがDTPソフトと違っていたらどうするんだとかまで把握出来ている人は少ないような気がする。まあ書き手も把握してない人間が多いから、例え分かっていても、イチイチ説明するのも面倒くさいんだとは思うが。

予想するとか、気がするとか、曖昧な書き方をしているのは、自分はライターではないから、あまり経験が豊富でないので断言できないわけだ。少ない経験の話を書けば、「VICTORIOUS」というGCMの大会パンフ兼広報誌に、一度文章を依頼を受けて書いた時(書かせろと売り込んだわけではない)、編集者が出来上がりの印刷物に見ながら「いいデザインでしょう!」(つまり貴方の文章をカッコよく載せてあげましたぜというニュアンス)と自画自賛していたんだが、自分はOK出ていた筈の自分の原稿が、締め(だからキモ)なところで改行位置をメチャクチャされていて(多分意識的にではない)、それなりに不快だった(なのでヴァルキリーのオフィシャルに自分で転載した時に、自分が元々意図したカタチに戻し、段落冒頭の一文字落としも削除した。ネット用に編集し直したわけである)。

自分はこのブログの文章でも、改行位置まで含めて、芸のつもりである。だから、若い子の携帯用というか、あのメチャクチャ改行する書き方も、それが拘りなら別にそれでいいと思う(自分には読み難いだけだが)。が、自分のように真っ当な日本語として文章を書きたい人間にとって、どんな環境でもなるべく自分の意図通りに見てもらう為には、改段落以外は、自分で指定しない方が確実なんである。

ちなみに、その時の担当編集者は、高島学という人だった。